飼いやすさが人気のポメラニアン その特徴と正しい飼い方
1970年代、高度成長期を迎えた日本ではペットを飼うことがステータスでした。ポメラニアンはその時代、マルチーズ、ヨークシャテリアとともに「座敷犬御三家」と呼ばれ、ともに人気を誇ります。今ではその人気は不動のものとなり、ポメラニアンは私たちを魅了し続けています。
ポメラニアンてどんな犬?
ポメラニアンの名前の由来は、ポーランド北東部のポメラニア地方に原種がいたことです。特徴はフワフワの毛並みと中央に寄った顔、尖った鼻先。体高は20cm程度、体重は2~3kgの超小型犬ですが、実際はかなり個体差があります。
毛色は日本で一番見かけるのはレッドですが、実際にはブラック、ブラウン、チョコレート、レッド、オレンジ、クリーム、ブルー、ホワイトなどさまざまなカラーのポメラニアンがいます。
レッドの毛色が多いのは、19世紀にイギリスのヴィクトリア女王がレッドのポメラニアンを好んで繁殖させたから。それまでポメラニアンは14lgほどと、現在に比べてかなり大型でしたが、このころに小型化も進んだと言われています。
「女王の犬」として、ポメラニアンは一躍世界の有名犬となりました。
平均寿命は12~16歳ですが、飼育環境や健康管理によって20年以上生きることも多々あります。
性格は友好的で自立心が強い
牧羊犬のジャーマンスピッツを祖先に持つポメラニアンは、その血を引き継ぎ、勇敢で警戒心が強くパワフルです。体は小さいですが、その血筋から番犬に向いているといわれています。自立心が強く、とても友好的で家族と過ごすことが大好き。しかし、しつけを怠ると自立心が強い部分が裏目に出て、ワガママな犬になってしまうことがあるので注意しましょう。
上手にしつけすれば留守番も得意で、家を空ける時間が多い家庭でも飼いやすい犬種です。
運動少なめで飼いやすい
ポメラニアンが飼いやすい犬だといわれる理由は、「感情表現が豊かでわかりやすい」
「賢いのでしつけやすい」
「友好的な性格なので多頭飼いしやすい」
「小型犬なので運動量が少なくていい」
などがあげられます。
家で自由に走りまわることができれば、忙しくて散歩や遊んであげる時間が作れない人でも飼えます。
しかし、散歩は運動だけでなく社会性を学ぶことや気分転換になるので、できるだけ連れていきましょう。留守番が多いなら、なおさら散歩は必要です。
ポメラニアンは吠えやすいといわれています。犬は本来吠えるものと考えれば自然なことですが、近所迷惑などトラブルになる可能性はあります。
もちろん、性格によって吠えない犬もいますし、しつけ次第で無駄に吠えないように育てることはできます。子犬のうちにしっかり教えましょう。
かかりやすい病気は?
健康的で病気にはかかりにくいですが、いくつかかかりやすい病気をまとめました。【膝蓋骨脱臼】
後足の膝蓋骨(ひざの関節)が正常な位置からはずれてしまう(脱臼)状態をいいます。小型犬に多い病気で、ひどくなると膝を引きずって歩くこともあります。程度によっては外科手術を必要とすることも。防止のためには定期的に動物病院で診てもらいましょう。
【気管虚脱】
気管がつぶれ空気の流れが悪くなる状態をいいます。症状は、呼吸困難や体温調整ができなくなり、放置すると命の危険にさらされる場合があります。夏場に発症しやすく、再発もしやすいので注意してください。
【水頭症】
頭の中(脳)に水がたまっている状態のことです。無症状のこともありますが、歩行異常やぼんやりしていたり、急に鳴き出したり興奮する、よく転ぶ、うまく立ち上がれない、けいれん発作、視覚喪失などがみられることもあります。
この病気は残念ながら予防法がないので、早めの対処を心がけましょう。