長野県の日本スピッツの子犬を探す

名前の通り、日本を原産国とする日本スピッツ。基礎となる犬は、1920年ごろにやってきた「ホワイトスピッツ」という犬でした。その当時はまだ洋犬は珍しい存在であり、繁殖までには至りませんでしたが、約10年後になると世界各国から輸入されたスピッツをもとに、日本の犬種としての育種が進められていきます。
大戦の時代には頭数が激減してしまったときもありましたが、愛好家たちの賢明な努力により日本スピッツの人気が高まっていきました。昭和の高度成長期の時代、日本スピッツのブームが訪れます。その後、一時のような熱は落ち着きを見せましたが、選択繁殖により無駄吠えの少ない犬の繁殖が試みられ、穏やかで飼いやすい日本スピッツが確立されることとなりました。

体高、体重日本スピッツの大きさは、体高30.5～38.1cmほど。体重は4.5～11.3kgで、中型犬の部類に入ります。

毛色、毛質毛色として認められているのは、ホワイト1色のみです。
ふさふさと長く伸びたダブルコートの被毛が特徴ですが、換毛期になると相当な抜け毛が発生します。

サモエド、ポメラニアンとの比較大きな瞳と白いフワフワの毛がかわいいスピッツ。真っ白なもふもふ犬として人気が高い犬種ですが、よく似た犬として挙げられるのがサモエドとポメラニアンです。
これらの2犬種との違いはどのようなところにあるのでしょうか？

□サイズは大きい順にサモエド、日本スピッツ、ポメラニアン
サモエドは大型犬に分類される犬種で、オスは体高が53～60cm、体重20～30kg程度まで成長します。一方のポメラニアンは、体高20cm前後、体重は2～3kgと、サモエド、日本スピッツと比べてひときわ小さな体格が特徴です。
このように3犬種では大きさが全く異なりますので、実際に見れば間違うことは少ないでしょう。

□顔つきにも違いが見られる
サモエドと日本スピッツは顔つきもよく似ていますが、サモエドは「サモエドスマイル」とも呼ばれる微笑みの表情に特徴があります。一方のポメラニアンは、目鼻が近くマズルが短い短頭種のような顔つきをしています。

国内で日本スピッツブームが起こると、飼育頭数が爆発的に増加。それと同時に日本スピッツは「落ち着きがなく、無駄吠えが多い犬」というイメージを持たれるようになります。その背景には乱繁殖や飼い主の知識、しつけ不足がありました。
現代になると、より温和で穏やかな性格の犬による選択繁殖がおこなわれ、ブーム時よりも日本スピッツは飼いやすい犬になったといわれています。

そのような歴史を持つ日本スピッツですが、飼い主に忠実で賢く物覚えがよいという気質を持っています。以前は懐きにくく凶暴といったイメージで見られることもありましたが、現在は人懐っこく聞き分けのよい犬種です。
飼い主や家族と一緒に過ごすことを好む反面、長時間のお留守番は苦手なようです。

また、好奇心旺盛で遊び好きなのも日本スピッツの特徴です。飼い主と一緒にボール遊びをしたり、おもちゃで引っ張り合いをしたりするのも大好きです。日本スピッツのキラキラと輝く瞳で見つめられたら、いくらでも遊んであげたくなるものですね。

飼い主に対しては忠実でフレンドリーな一方、見知らぬ人に対しては警戒心が強い部分もあります。突然の来訪者や見知らぬ人に急に寄ってこられると、神経質になってしまうことも。
犬が攻撃性を見せるのは防衛本能でもあります。むやみに恐怖心を与えないよう、散歩中や来客時には注意してあげるのも飼い主の役目です。

国内で育種された日本スピッツは、「日本の環境になじみやすいのでは？」と思われる方も多いのではないでしょうか。実際のところは、食事や運動、気候変動対策など、注意しなければいけないポイントが多々あります。

食事のポイント食事は1日2回、体重に応じて必要な量を与えます。子犬の時期には高栄養価の「子犬用」フードを。成長に合わせて、「成犬用」「シニア用」とフードを切り替えていきます。
日本スピッツの豊かな被毛を保つために、タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルなどがバランスよく配合されたフードを選ぶとよいでしょう。

必要な運動量、おすすめの遊ばせ方真っ白でふわふわな毛に覆われているものの、実は意外なほど筋肉質な日本スピッツ。運動量も多く遊び好きのため、相応の運動時間を確保する必要があります。
散歩は1日2回、それぞれ30分以上は確保したいものです。また、たまにはドッグランやボール遊びなど、思いっきり自由に走り回れる環境があるとなおよしです。

お手入れ方法日本スピッツの毛質は、ふわふわと長く伸びたダブルコートです。真っ白な被毛をきれいに保つためには、ブラッシングやシャンプーなど、日々のお手入れが必要不可欠です。
とくに胸周りなどに生えた飾り毛はもつれやすく毛玉になりやすい部分です。スリッカーブラシでもつれを解いたあとに、コームで毛流れを整えてあげましょう。
また年に2回の換毛期には、驚くほど大量の抜け毛が発生します。専用の抜け毛取りブラシのような便利グッズを使い、大変な時期を乗り切りましょう。

暑さ・寒さ対策日本スピッツは、豊富な被毛のおかげで冬場には比較的強いとされる犬種です。その一方、夏の暑さはとても苦手。とくに日本のような高温多湿な気候は、もふもふ犬にとって過酷な環境です。夏場は日が高いうちの散歩を避ける、エアコンで室温を一定に保つなど、十分注意してください。

しつけの方法「スピッツは吠える」というイメージを持たれがちでしたが、本来は利口で従順な性格なのでしつけはしやすい犬種です。好奇心旺盛で刺激のある方向に行ってしまいがちなため、しつけにも遊びの要素を取り入れながら楽しくトレーニングしましょう。

平均寿命は13.3歳です※1。
犬の寿命には個体差がありますので、あくまで参考として留めておくのがよいでしょう。

日本スピッツを健康で長生きさせるためには、毎日の食事や運動、飼育環境といった飼育の基本を徹底することが大切です。
また、遺伝的疾患には注意が必要です。日ごろから犬とスキンシップをとり、異変があればすぐ気付けるよう心がけましょう。そして、万が一おかしいなと思うことがあれば、迷わず動物病院を受診してください。

※1　アニコム家庭どうぶつ白書2022年

かかりやすい病気の一つに「小眼症」が挙げられます。目が小さいゆえに涙も少なく、目が乾燥しやすくなるのが特徴です。遺伝的な疾患ですが、外科手術により改善が期待できるケースもあります。

膝蓋骨脱臼「パテラ」とも呼ばれる膝関節の疾患です。膝のお皿がずれてしまうことにより、脚を引きずるなど歩行に支障をきたします。膝蓋骨脱臼は、症状によりグレード1～4に分けて診断され、もっとも重症なグレード4になると、外科手術が必要になる可能性があります。

気管虚脱気管にある軟骨が変形することで、まるで「ガチョウの鳴き声」のような咳が出る症状です。ちょっとした刺激ですぐに咳き込み、酸素不足で息苦しくなるといった症状が見られます。
咳止めの薬や鎮静剤を使用した治療がおこなわれますが、悪化した場合は手術が必要になることもあります。