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サルーキってどんな犬?

サルーキは、美しく引き締まった体で、かつては草原や山岳地帯でガゼルやウサギを追い込む狩猟犬でした。高貴な雰囲気漂う見た目もさることながら、自立心が高く、猫のようにツンデレな性格も飼い主の心をつかんでしまうことでしょう。飼う場合は、必要な運動量を満たしてあげることが大切です。ストレスを極力減らすことで、本来サルーキが持つ、穏やかで優しい性格を引き出すことができるはずです。

サルーキの子犬を飼う前に知っておきたい5つのこと

サルーキの特徴

中東生まれのサルーキは、世界最古の狩猟犬といわれています。長くしなやかに伸びる脚の跳躍力には身を見張るものがあり、とても優雅な走りを見せてくれます。
世界最古というぐらいですから、その歴史は大変古く紀元前6000年以上前の遺跡から、サルーキとよく似た特徴を持つ犬の彫刻が出土しています。さらに古代エジプト王の墓からは、サルーキと思われる犬のミイラが発見されているのです。

古くから存在したサルーキは、中東の遊牧民族たちとともに世界各地を移動し、狩りをおこなっていました。別名「ガゼル・ハウンド」、「ペルシアン・グレーハウンド」とも呼ばれ、視覚に優れた狩猟犬として活躍します。12世紀ごろにはヨーロッパに渡り、貴族階級の愛犬として親しまれるようになります。
1923年にはイギリスで、1929年にはアメリカの血統登録機関において、犬種標準が登録されました。

体高、体重サルーキはすらりと伸びたスリムな体格が特徴の犬種で、理想的な体高は58.4~71.1cm、体重は18.1~29.5kgほどです。オスと比べてメスはやや小柄になる傾向があります。
その骨格はどこを取っても無駄がなく、全身がしなやかな筋肉に覆われています。その脚力は群を抜いており、時速70km以上で駆け抜けるともいわれるほどです。

毛色、毛質サルーキにはあらゆる毛色が認められており、主なバリエーションとしてホワイト、クリーム、フォーン、グリズル、レッド、ブラック&タン、トライカラーなどが存在します。

毛質は長毛種である「ロングタイプ(フェザード)」と、短毛の「スムースタイプ」の2種が存在します。フェザードは耳やしっぽに生えた飾り毛が特徴です。

ボルゾイ、ウィペットとの比較3犬種とも「サイトハウンド」に分類される狩猟犬ですが、原産国や犬種の成り立ち、サイズや体格に違いがあります。

□ボルゾイ:ロシア原産。体高はオス71.1cm以上、メス66cm以上と大柄で、頭部からマズルまで細長く伸びた独特の容貌を持つ。
□ウィペット:イギリス原産。体高はオス48.3~55.9cm、メス45.7~53.3cmとサルーキより小柄。小さな頭部に長い首が特徴。
□サルーキ:中東原産。体高は58.4~71.1cm。被毛はロングタイプとスムースタイプが存在する。

3犬種とも長く伸びた脚が特徴的。サルーキのスタイリッシュな肢体に合わせて、首輪や服といったグッズにこだわるのもまた楽しいでしょう。

見出しサルーキの性格

サルーキはサイトハウンドに分類される狩猟犬ですが、性格は優しく穏やかです。運動能力に優れた犬ではありますが、無駄吠えも少なく、室内では大人しく静かに過ごすことができます。
飼い主に対しては忠実で、言うこともよく聞きます。知的で学習能力が高く、頭を使う遊びも得意です。
その見た目通り、少し神経質で自立心が高い性格ではありますが、心を許した飼い主や家族に対しては、深い愛情を見せてくれるようです。
また子どもとも優しく接しますが、四六時中構われるのは苦手なようです。

普段は温厚なサルーキですが、運動シーンでは類まれなる運動神経を見せてくれます。先ほども説明した通り、サルーキは時速70km以上で走るともされる犬種。これはドッグレースで活躍するグレーハウンドよりも早いとされ、相当なものです。
また、もともとは遊牧民と狩りに勤しんでいた犬種のため、ハンター気質が残されています。好奇心旺盛に“獲物”に見立てた小動物やほかの犬を追ってしまうこともあるようです。

そんなサルーキには、警戒心が強く内向的な一面もあります。分かりやすく言えば「人見知り」で、飼い主や家族以外の人には身構えてしまうことも。初対面の人と仲良くなるまでには、かなりの時間を要するでしょう。
臆病な部分もあるため、突然の騒音や環境の変化によるストレスを感じやすい個体も。社会化の一環として、子犬のころからほかの犬や人に慣れさせるトレーニングも必要になるでしょう。

見出しサルーキの飼い方

日本ではやや珍しい部類に入るサルーキ。飼育のうえではどんなことに気を付ける必要があるのでしょうか。
毎日の食事や運動など、飼育のポイントについて説明します。

食事のポイントとてもスリムな体格のサルーキですが、偏食をしやすいことで知られています。「犬と言えば食欲旺盛」といったイメージを持っている方は、サルーキの小食・偏食傾向に驚くこともあるかもしれません。
食べないからと言って、むやみにおやつを与えたり、犬の好物ばかりを与えたりすることは返って偏食を悪化させます。
犬の様子を見ながら、毎日同じ時間にフードを与え、食事を促しましょう。成犬ならば1日2回、体重や月齢に応じたフードを用意してくださいね。

必要な運動量、おすすめの遊ばせ方サイトハウンドとして、古い歴史のなかで狩猟に勤しんでいたサルーキ。とにかく走ることが大好きで、かなりの運動量を必要とします。
散歩は1日2回、それぞれ1時間以上確保するのが理想です。

また、サルーキはドッグランなどの場所で自由に走り回らせる時間も必要です。足が速く逃走の恐れがあるため、リードを外すときは必ず厳重な柵で囲まれた空間で。また、ほかの犬を追い回すことのないよう、日ごろから制止や呼び戻しのトレーニングも必要です。

お手入れ方法シングルコートの被毛を持つサルーキは、ダブルコートの犬種と比べると抜け毛は少ないといわれますが、それでも体が大きい分抜け毛も多くなります。
ブラッシングはロングタイプで毎日、スムースタイプでも週に2~3回おこなうのが理想です。
スリッカーブラシや獣毛ブラシ、ラバーブラシなど、毛の長さに応じたブラシが販売されているので、うまく使い分けてあげましょう。

暑さ・寒さ対策サルーキはほかの犬種と比べると体脂肪が少なく、またシングルコートのため寒さを苦手とする傾向があります。
室内で留守番をさせるときには常に適温を保ち、必要に応じて湯たんぽや起毛素材の毛布などを使いましょう。寒さ防止のために犬用の服を着せるのもおすすめです。

砂漠の国から来たサルーキですが、極端な暑さは苦手としています。真夏の散歩は日中を避け、朝晩の涼しい時間におこないましょう。

見出しサルーキの寿命

犬種としての平均寿命は、12歳~14歳程度。
犬の寿命は個体差による部分もあり、持って生まれた体質や飼育環境によっては、平均を大きく超えて長生きする子も存在します。

大切な愛犬の健康を守るのは、飼い主の役割です。食事や運動、ストレスのない環境といった飼育のポイントに注意するほか、犬種特有の病気や疾患にも気を配りましょう。
そして、少しでもおかしいなと思う点があれば、迷わず動物病院を受診してください。

見出しサルーキの気を付けたい病気

遺伝的疾患が少ない犬ですが、それでもいくつか気を付けたい病気があります。

甲状腺機能低下症甲状腺から分泌されるホルモンが減少することにより、体の機能が低下する病気です。この病気にかかると、元気がなくなる、毛のツヤが悪くなる、抜け毛が極端に増える(脱毛)といった症状が見られます。

肥大性心筋症心臓を動かす筋肉である心筋が大きくなることで、本来の動きを妨げてしまう病気です。悪化すると活気がなくなる、呼吸が苦しくなる、体のまひといった症状が表れます。早期発見により治療効果が見込めますが、治療の過程において運動制限が必要です。

副鼻腔炎鼻水の量が多い、頻繁にくしゃみをするといった症状が見られたら、副鼻腔炎の恐れがあります。副鼻腔は鼻の奥側にある器官ですが、ここにウイルスや細菌が入り込むことで炎症を起こします。初期症状として、軽い鼻炎が見られるケースがほとんどです。

皮膚炎真菌や細菌、ダニ、ハウスダスト、食べ物によるアレルギーが原因で起こる皮膚の疾患です。かゆみが出ると自分で引っ掻いて患部を掻き壊してしまう恐れがあるため、早めに動物病院で治療を受けましょう。