女の子(メス)の狆(チン)の子犬を探す

前方に垂れた耳に、真ん丸の大きな瞳、フサフサの長毛、そして短頭種としての“鼻ペチャ”な表情がチャームポイントの狆。
理想的な狆の体高は、25cm前後です。メスはオスよりも若干小さくなります。
体重は3～5kg程度で、小型犬の部類に入ります。

毛色はホワイトをベースに、ブラックまたはレッドのポイントをもちます。マズルから頭のてっぺんにかけて幅広のホワイトライン（ブレーズ）が入るのが好ましいとされています。
毛質はシルクのように柔らかなストレートヘアで、耳や首、脚、しっぽにはふさふさとした飾り毛があります。
狆は下毛をもたないシングルコートの犬とされてきましたが、中にはダブルコートの子も存在するようです。

狆とよく似ているとされる犬種が中国原産のペキニーズです。小型の短頭種で長毛という点で同じですが、外見や性格の面ではいくつか違いがみられます。
狆の毛色はブラック＆ホワイトを基本としているのに対し、ペキニーズはブラウン＆ホワイトやブラックマスク、クリーム、レッドとさまざまなバリエーションがあります。
また、穏やかで人懐っこい狆に対し、ペキニーズは独立心が強く「まるで猫のよう」ともいわれるようにマイペースな傾向です。

日本に古くから存在する愛玩犬の代表格狆の祖先とされる犬は、600年代～700年代頃に仏教伝来とともに中国または朝鮮からもたらされたという記録が残っています。その後、日本の皇族たちに寵愛され、徳川綱吉の時代には江戸城で飼われていたとされています。
ペリー来航により鎖国の時代が終わると、ヨーロッパ諸国から洋犬が輸入され、狆の頭数は減少していきます。現在日本で飼われている狆の基礎となったのは、イギリスやフランスに輸出され、改良された犬たちです。イギリスの血統機関にも登録され、当時は「ジャパニーズ・スパニエル（のちのジャパニーズ・チン）」と呼ばれていました。一度は日本での飼育頭数が減ってしまった狆ですが、ヨーロッパから逆輸入されることで、再び愛玩犬として広まることとなりました。

日本・ヨーロッパにおいて、皇族や貴族の間で寵愛された歴史をもつ狆。まさに愛玩犬にふさわしく、とても穏やかで人懐っこい性格です。飼い主以外の人にも愛嬌を振りまくような一面もあり、ほかの犬とも仲良くできる友好的な犬といえるでしょう。
基本的にはおとなしい犬ですが、明るく元気いっぱいに動き回る活発な一面も見せてくれます。

また、長く人間のそばで暮らしてきたことから、飼い主の表情や行動を注意深く観察し、賢く振る舞える聡明さも狆の魅力です。
飼い主に対しては従順で、言うことをよく聞きます。トイレトレーニングや吠え癖、噛み癖といった基本的なしつけであれば、難なくクリアできるでしょう。

明るく人懐っこい性格の狆ですが、少し繊細な面もあります。たとえば、子どもにしつこく追い回されたり、構われたりすることはストレスになるようです。嫌なことがあっても相手を攻撃するような気性の荒さはありませんが、小さなお子さんがいる家庭での飼育には、十分注意する必要があるでしょう。

犬の健康を支えるためには、毎日の食事や運動、お手入れのコツを押さえる必要があります。狆と一緒に暮らす上でのポイントをまとめました。

食事のポイント狆の食事は、月齢や体重に合わせてバランスよく与えましょう。
たくさんの栄養を必要とする子犬の頃には、「子犬用」として市販されているものを。消化機能が未熟なうちは、1日3～4回に小分けにして与えるのがおすすめです。
成犬からシニアにかけての食事は、栄養バランスとカロリーに気を配ります。スリムな体格を保つために、「高たんぱく・低カロリー」かつ狆の美しい毛並みを整える栄養素を含んだものがよいでしょう。

必要な運動量、おすすめの遊び方狆は遊び好きですが、長時間の運動は必要としません。お散歩は1日20～30分程度で十分です。
また、“鼻ペチャ”が特徴の短頭種であることから、高温多湿な日本の夏はとても苦手です。気温が高くなる夏場は昼間の外出を避け、朝晩のなるべく涼しい時間帯にお散歩しましょう。
室内遊びも大好きですが、アジリティーのような激しい動きは脱臼の原因になることがあります。運動は狆の体に負担がかからない程度にとどめておきましょう。

お手入れ方法狆のシルキーな毛並みを維持するためには、毎日のブラッシングや定期的なシャンプーをおこなう必要があります。
シングルコートの狆はダブルコートの個体と比べて抜け毛が少ないものの、ボリューム感があるために毛がもつれやすく絡まりやすいです。ブラッシングの際には、スリッカーブラシで毛のもつれや毛玉をほぐしてから、コームを使って全身の毛流れを整えましょう。

また、家庭やトリミングサロンでシャンプーすることで、白い毛を美しく保つことができます。シャンプーの頻度は多くて月に１度程度が理想です。洗い過ぎはかえって犬の皮膚や被毛を傷める原因になってしまいます。

一般的に小型犬の平均寿命は12～14歳前後といわれています。それに対し、狆の寿命は12～14歳程度。まさに平均といえるでしょう。

医療が発達した現代では、犬も長生きする傾向にあります。長生きの秘訣は、バランスのよい食事と運動、定期的な健康チェックです。
とくに肥満は寿命に直結しやすいため、シニア期に入っても体格に合った体重をキープするのが理想です。もちろん、毎日のお散歩や室内遊びで運動させることも忘れずにやりましょう。

病院での定期健診とともに、家庭での健康チェックも欠かさずおこないましょう。犬の不調は、食欲の低下や下痢・嘔吐、元気がなくなるといった点に表れます。また、狆とスキンシップをしていて、皮膚の異常や体のどこかを痛がるようなしぐさがみられるときも要注意です。

大切な愛犬の不調に気付けるのは、毎日身近に接している飼い主さんだけです。少しでもおかしいなと思う点があれば、なるべく早めに動物病院を受診しましょう。

骨格の異常として発症率が高いのが、「膝関節形成不全」や「膝蓋骨脱臼（パテラ）」です。
「膝関節形成不全」は、膝周りの関節が通常通り成長せず、周囲の筋肉や骨に異常が生じる症状です。脱臼や亜脱臼しやすくなり、痛みや歩行困難をきたすこともあります。

「膝蓋骨脱臼」はパテラとも呼ばれ、小型犬に多い症状です。段差の飛び降りやフローリングで足を滑らすといった日常的な動作がきっかけで、膝の皿と脚の骨が横方向にズレて脱臼を起こします。
先天的なものと後天的なものがあり、後天的な場合は激しい運動を控え、犬の足腰に負担をかけないような飼育環境に整えることで改善が見込めます。

また、シニア期に入ると「白内障」のリスクも高まります。これは加齢により水晶体の一部や全体が白く濁り、視界狭窄や失明を引き起こします。
6歳以降の犬で、障害物にぶつかったり、頻繁に躓いたりするような様子が見られたら、この病気を疑いましょう。