ボルゾイの子犬を探す

ロシアを原産国とする大型犬のボルゾイ。祖先犬については諸説ありますが、サイトハウンドと呼ばれる狩猟犬と、ロシアの土着犬の血を継いだ犬であるとされています。
13世紀頃、ウサギのような小動物の狩りに用いられていたボルゾイでしたが、やがてオオカミのようにより大きな獲物に対応するための大型化が試みられ、「ロシアン・ウルフハウンド」と呼ばれるようになりました。

王侯貴族たちの間で寵愛されてきたボルゾイでしたが、革命の時代に入ると“ぜいたく品”の象徴として殺戮の対象とされてしまいます。一度は絶滅の危機に瀕したボルゾイでしたが、ロシアからヨーロッパ、アメリカにもたらされた犬たちを基に育種が進められ、アメリカでは1892年頃、イギリスでは1914年頃に血統登録機関に認められます。その後、1936年に現在の名称であるボルゾイに改名されます。
現在のボルゾイは、その高貴で美しい姿で世界中のドッグショーで輝かしい成績を残すほか、家庭犬としても愛され続けています。

体高、体重ボルゾイは大型犬に分類される犬種ですが、中でもとりわけ体の大きな犬です。体高はオスが75～85cm、メスが68～78cmが理想的とされています。頭部からマズルまでが細長く伸び、全身が「流線形」の体格が特徴です。
またボルゾイは体高の割に体重が軽く、オスが34～47.6kg、メスが27.2～38.6kgです。身軽な身体から繰り出されるスピードは並大抵のものではなく、時速50kmで走るともいわれています。

毛色、毛質ボルゾイの毛色には複数のバリエーションがあり、その多くはホワイトとの組み合わせによるバイカラー、あるいは3色のトライカラーです。中にはブラックやホワイトの単色も存在します。

＜ボルゾイの毛色＞ブラック＆ホワイト、シルバー＆ホワイト、セーブル＆ホワイト、レッド＆ホワイト、ゴールド＆ホワイト、レモン＆ホワイト、タンが入ったトライカラーなど。

毛質は少しウェーブがかった長毛で、滑らかな触り心地です。オーバーコートとアンダーコートからなるダブルコートのため、年に2回の換毛期には大量の抜け毛が発生します。

大きな体にややクールな印象を受ける容貌のボルゾイ。「ちょっと怖そう……」というイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、ボルゾイは温和で優しい性格の持ち主です。
室内にいるときは静かで大人しく、人間の側にそっと寄り添っていることを好みます。立つ姿も座った姿も優雅でさらに無駄吠えも少ないため、落ち着いた印象を与えます。
小さな子どもとも優しく遊べるため、ファミリーの一員として向かえる犬としてもぴったりといえるでしょう。

優雅で気品あふれる見た目のボルゾイですが、実は社交的で遊ぶことが大好きな一面もあります。毎日のお散歩にプラスして、広場でのボール遊びやドッグランを活用すると喜んで遊び回ります。
運動能力が高く活発なため、時には飼い主さんがヘロヘロに疲れてもはしゃぎ続けてしまうことも。犬が際限なく遊んでしまわないよう、区切りを付けることも大切です。
またハウンドドッグとしての歴史を持つボルゾイには、小動物やほかの犬を獲物と見立てて追いかけてしまう本能が備わっています。飼い主がしっかりとハンドリングできるよう家庭犬としての訓練は万全におこなう必要があります。

ボルゾイは基本的には飼い主に対して忠実で、頭が良い犬種です。とても賢いため、しつけはしやすいといえます。犬用の知育玩具を取り入れるなど、普段の遊びにも変化を取り入れると良いでしょう。

「小型犬に比べて大型犬のボルゾイの飼育は大変そう」というイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。確かに体が大きな分苦労することもあるかもしれませんが、温和で遊び好きなボルゾイとの暮らしはとても楽しいものですよ。
あらかじめ、飼い方のポイントをしっかり押さえておきましょう。


食事のポイント成犬時の食事は1日2回、月齢や体重に応じて必要な量を与えましょう。ボルゾイは小食・偏食傾向があり、食に対する執着が薄い個体が多いとされています。出した食事に全く手を付けないとつい心配して好物を与えたくなりますが、偏食を許してしまうと栄養バランスが崩れて不健康の原因になりかねません。
食べなくても犬の健康状態に問題がないようであれば、2～3日決まった時間にフードを与え続け、様子を見るようにしましょう。

必要な運動量大型犬のなかでも特に運動能力の高いボルゾイ。毎日1～2時間のお散歩は必須となります。また運動不足解消とストレス発散を兼ねて、たまにはドッグランのような自由に走り回れる空間に連れ出してあげたいものです。
庭がある環境であれば外で自由に遊ばせるのも一つの方法ですが、ボルゾイは1ｍほどの柵であれば軽々飛び越えてしまうジャンプ力がありますので、脱走には十分注意しましょう。

お手入れ方法まるでシルクのように細く柔らかいボルゾイの毛質はとても絡みやすく、毎日のお手入れは必須です。ブラッシングは、まずスリッカーブラシで念入りに毛のもつれを解き、その後仕上げにコームで全身の毛流れを整えるときれいな毛並みになります。
換毛期には普段より多くの抜け毛が発生するため、さらにこまめなブラッシング、またシャンプーでのお手入れを併用して清潔を保ってあげましょう。

しつけの方法ボルゾイはとても頭がよく飼い主に忠実で、訓練性が高い犬種です。一方、遊び好きなハンターとしての一面も備えているため、家庭犬として慣らすためには十分なトレーニングが必要です。
子犬の頃から飼い主の手によりしっかりとしつけをおこなうのが理想ですが、場合によっては専門の訓練所への入所も選択肢の一つとして考えておきましょう。

寿命は10～12歳程度とされており、一般的な犬種の平均寿命と比べると、やや短い傾向にあるようです。しかし、平均寿命はあくまで目安の一つであり、生まれながらの体質や飼育環境によっては、平均を大きく超えて長生きするケースも珍しくありません。

大切なボルゾイに長生きしてもらうためには、日ごろから健康管理に気を配る必要があります。食事の量や内容は適切か、運動量は足りているか、飼育環境にストレスはないか、まさに普段の生活の質が犬の健康を左右するのです。
また後述するようなボルゾイのかかりやすい病気に気を付けるのも、長生きさせるための大きなポイントになります。

純血種としては遺伝的疾患が少ないボルゾイですが、いくつか気を付けておきたい病気や疾患があります。

胃捻転大型犬に良く見られる症状である「胃捻転（いねんてん）」。特にボルゾイは胸底が深く、この病気にかかりやすいとされています。早食いや食事直後の運動などが原因で、胃の中にガスが溜まることで胃が捻じれ、内容物が詰まったり炎症が起こったりする病気です。胃捻転にかかると、元気の低下や大量のよだれ、呼吸困難など引き起こし、最悪の場合命にかかわります。

皮膚炎ボルゾイの皮膚はデリケートで、真菌やダニなどを原因とする皮膚炎のリスクがあります。皮膚の赤みやただれ、フケ、脱毛、身体を痒がるような仕草が見られたら、何らかの皮膚炎を疑いましょう。
ブラッシングで被毛を清潔に保つことは、皮膚炎の予防にも繋がります。ぜひ毎日のお手入れに取り入れてください。

熱中症元々寒い国で暮らしていたボルゾイは、日本の夏のように高温多湿な気候を苦手としています。熱中症にかかると、荒い呼吸に食欲不振や元気の低下、ぐったりして動かない、全身の痙攣といった症状が現れ、重症化すると死に至ることもあります。
夏場のお散歩は日中を避け、朝晩の涼しい時間で。またエアコンやクールマットでの温度管理を徹底し、お留守番のときでも犬が快適に過ごせる環境を用意しましょう。