犬を車に乗せる際の注意点　車酔い対策や車酔いしやすい犬種について

できれば乗車前に愛犬のトイレは済ませたいものです。車に乗せる前に愛犬をトイレに促しましょう。難しい場合は、途中でトイレ休憩を挟んであげます。

長時間のドライブの場合にも、1～2時間ごとにトイレ休憩を設けてあげるといいでしょう。適度にリフレッシュできるよう、外に出してあげのもいいですね。ただし飛び出しには注意！ しっかりリードを付けてからドアを開けるようにしてください。

車に乗ることに愛犬が落ち着かない様子であれば、クレートにいつも遊んでいるおもちゃを入れてリラックスさせましょう。

自分のにおいがついたタオルを入れてあげるのもいいですね。家にいるときのような安心感を与えるのがポイントです。

犬は暑さに弱い生き物なので、乗車中は車内の温度に気をつけてあげましょう。クレートやキャリーは直射日光が当たらない場所に設置するなどの注意が必要です。

気をつけたいのは、前席と後席の温度差です。後席にエアコンの吹き出し口がない車の場合、エアコンで車内温度を低めに設定するか、車内用サーキュレーターなどを活用するといいでしょう。

次のような犬は、とくに車酔いをしやすい傾向がありますが、犬が車酔いをするかどうかは個体差が大きい点を考慮しておきましょう。

• 小型犬

チワワやパピヨン、ポメラニアンなどの小型犬は体重が軽く、揺れに敏感で車酔いをしやすい傾向があります。

• 短頭種

フレンチブルドッグやパグなどの鼻ぺちゃ犬は、鼻が短いため呼吸器系の問題を抱えがちです。
また、体温調整も苦手で、車の揺れや車内の温度・湿度の変化が影響して呼吸がさらに不安定になることがあり、それが車酔いを引き起こす原因となります。

• 子犬

成犬よりも免疫力が弱く、バランス感覚も発達していない子犬は、車酔いをしやすいといえます。また、まだ外出に慣れていないため、興奮やストレスが強くなりやすいです。

• 過去に車酔いを経験したことがある犬

以前に車酔いを経験した犬は、その記憶が悪影響を与え、再度車に乗る際に不安感や吐き気を感じやすくなることがあります。


これらの特徴をもっていない犬でも車酔いする可能性はあります。どんな犬でもしっかり対策をしておくことが重要です。

車酔いは、ある程度慣れることで軽減されるといわれていますが、はじめて車に乗せる場合はまさにその最初のステップ。犬にとって車がトラウマにならないようにしたいものですね。

早めに犬の異変に気付いて休憩を取ってあげることで、車酔いの症状が悪化することを防ぐことができます。
しかし、犬は不快感を言葉で伝えることができません。犬の車酔いが疑われるのは、どのような状況なのでしょうか。
犬の車酔いの主な症状についてご紹介します。

• 落ちつきがなくなり、そわそわする

• パンティング（ハァハァと口で大きく呼吸）する

• 生あくびが増える

• 吠える、鳴く

• 震える

• よだれがでる

さらに車酔いがすすむと、嘔吐や下痢といった症状がでます。

前述したように、直前の食事を避け車酔いのリスクを減らします。とくにはじめて車に乗せる場合や車酔いしやすい犬の場合、少なくとも乗車の2時間前にはごはんを済ませておきましょう。
そして、ごはんの量はいつも通りか、やや少なめを目安にしてください。

ただし、過度の空腹時にも自律神経が敏感になり、車酔いをしやすくなるので注意しましょう。
可能であれば、食事をとってから3～6時間後の出発がベストです。

また水分が足らなくなれば、脱水症状を引き起こします。一度に欲しがるだけ飲ませるのではなく、こまめに少量の水分補給を心がけてみてください。

人間にとってはよい匂いのする芳香剤でも、嗅覚が優れている犬にとってはそうではありません。ニオイで車酔いすることもあるので、芳香剤は使わないようにしましょう。

そのほかにも、たばこやガソリン、エアコンからのニオイは犬にとっては辛いもの。窓を開けるなどして、こまめに換気をしてあげてください。

乗車時間が長い場合は、こまめな休憩が必要です。
トイレ休憩の意味もありますが、外の空気を吸わせ、体を伸ばさせてリラックスさせる目的もあります。

最初の乗車で車酔いを経験してしまうと、犬は車に対して恐怖心や不安感をもってしまいます。
はじめて車に乗せるときはごく短い距離を体験させ、徐々に距離を伸ばしていくとよいでしょう。

どうしても車が苦手な犬や、長時間の乗車が必要な場合は、事前に酔い止めの薬を飲ませるという方法もあります。獣医師に相談したうえで処方してもらうようにしましょう。

犬を車に乗せる際、あると便利な「持ち物リスト」を確認してみましょう。

リードや首輪は、外に出るときの必需品です。使い慣れたものを持って行ってください。
クレートやキャリーは、車の中で犬を入れておくために必要なアイテムです。座席に固定するためのバンドなども一緒に用意しましょう。

いくらこまめにトイレ休憩をとっても、やはり心配なのがおしっこの問題。緊張でなかなかタイミングよく出ないことも考えられますので、念のためトイレシーツも準備しておきましょう。
ビニール袋やティッシュなど、お掃除に必要なグッズも忘れずに。

フードや食器、水、水入れ、おやつなども必需品です。フードやおやつは、事前に小分けしておくと便利です。
愛犬をリラックスさせるためのおもちゃやタオルは、普段自宅で使っているものを持参しましょう。

最後に、愛犬を車に乗せる際のNG行動を確認しておきましょう。愛犬の安全を守るためにも、飼い主がしっかりと注意してあげてくださいね。

走行中の窓から顔を出すのは、とても危険な行為です。何かと接触する可能性もありますし、落下事故につながることもありますので、絶対に窓から顔を出させないようにしましょう。

また、挟み込み防止機能がついていない車の場合、首を挟まれてしまうこともあるため、大変危険です。

愛犬を乗せているときに、その居場所をフリーにしてしまうのも絶対にNGです。ドライブの際は後部座席がおすすめで、さらにクレートやキャリーに入れて固定しておいたほうが安全です。

これは、急ブレーキなどによる事故を防ぐためですが、車酔いを防ぐためにも効果的なためです。窮屈でかわいそうと感じるかもしれませんが、その分、車を降りたら外でたっぷりとリフレッシュさせてあげましょう。

犬を車内で待たせるのもNGです。車の中は、夏に限らず温度上昇が激しいもの。仮に外の気温が28℃で、車内の温度は30℃だったとしましょう。その気温でエアコンを切っていた場合、窓が開いていたとしても日差しの当たり具合によっては50℃に達してしまうこともあるほど。窓が閉まっていればなおさら高温になります。

ほんの短い時間でも、車内温度はぐんぐん上がってしまうので、愛犬を守るためにも車で待たせないようにしてください。

今回は、犬を車に乗せる際に注意しておきたいことや、車酔い防止策、あると便利な持ち物、ドライブのコツについてお伝えしました。車嫌いにならないためにも、愛犬とのドライブは最初が肝心です。こまめな休憩と水分補給を心がけ、もし粗相をしたり吐いたりしても、決して叱らないでくださいね。

また、愛犬の安全を守るためには、窓から顔を出させないこと、車内ではしっかり固定すること、車で待たせないことなど、飼い主としてしっかり注意しましょう。