犬を飼うとできなくなる10のこと

時間の面

いたずらをするプードル

1. 長い時間家を空けられなくなる

犬は社会性が強く、ひとりで過ごすのが苦手な動物のため、長時間の留守番はストレスになります。

寂しさや退屈が続くと精神的に不安定になり、室内を荒らしたり、遠吠えをしたり、トイレ以外の場所で排せつをしたりするなど、問題行動を起こす場合があります。

2. 気軽に旅行ができなくなる

近年では犬と一緒に旅行を楽しめるようになりましたが、宿や遊び場を探す手間がかかり、多くの場合、追加の費用も発生します。

犬を留守番させるとしても、ペットシッターやペットホテル、信頼できる友人など、預け先を探すのもひと苦労。さらに、旅行が長くなると犬は不安を感じやすくなります。

3. 自由な時間が減る

散歩や食事、しつけやお世話など、犬と暮らすうえで欠かせない時間があります。
その時間を確保するためには、自分の自由時間を削りながらも、愛犬に寄り添う生活が求められます。

また、犬が急に体調を崩した場合など、あらゆる予定をキャンセルして、動物病院へ行かないといけない状況が発生することもあるでしょう。

4. 急な予定変更が難しくなる

犬は毎日おおむね決まった時間に食事や散歩などの世話を受けることで、安心感を持ちやすくなり、精神的にも安定しやすくなります。

しかし、飼い主の急な予定変更が続いて生活リズムが崩れると、犬にとって大きなストレスにつながります。
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費用面

動物病院で診察中の犬

5. 自由に使えるお金が限られる

ドッグフード、ペットシーツなどの消耗品、犬用ベッドなどの日用品、ワクチン接種やフィラリア予防薬といった健康管理費など、定期的な出費は避けられません。

さらに、ケガや病気による医療費に加え、トリミングが必要な犬種では美容・メンテナンス費用も発生します。

6. 電気代(エアコン代)がかかる

多くの犬にとって日本の夏は過酷であり、とくに老犬や幼犬にとっては、冬の低温が命に関わることもあります。
室内飼育の場合、夏はエアコンによる温度管理が欠かせません。

また、寒さに強い犬種を除き、冬の寒さ対策として室温管理や安全な暖房器具の使用も必要になります。
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生活面

ブラッシング中のミニチュアシュナウザー

7. きれいな部屋を維持しにくくなる

被毛の長さに関わらず、犬と暮らす場合、大量の抜け毛が発生します。また、被毛や皮膚のにおいが、ソファやじゅうたん、部屋全体に移ることもあります。

床やカーペットなどをガリガリとひっかいた跡が残ったり、家具やカーテンをかじられたり、犬用ベッドやクッションを破壊されて散らかったりすることもあるでしょう。
さらに、散歩後に十分な手入れをしないと、室内に汚れが持ち込まれます。

8. 服や家具が犬の毛だらけになる

撫でたり抱っこしたりと犬と触れ合うことで、衣類に抜け毛がつきやすくなります。
ソファやクッション、寝具などの布製家具には毛が絡みやすく、さらにそこから家族の服にも毛が付着することもあります。

9. 住まいの選択肢が限られる

国内の賃貸物件では、まだまだ「ペット可」の住宅は多くありません。
さらに、ペット可の条件に加え、犬が快適に過ごせる広さや間取り、周囲の環境まで考慮すると、選択肢は一層限られます。

自己所有住宅の場合でも、近隣に犬が苦手な人や騒音に敏感な人がいないとは限りません。鳴き声が近所迷惑にならないよう、対策をしておく必要があるでしょう。

10. 二度寝ができなくなる

犬にとって、散歩や食事は楽しみな時間です。そのため、そのタイミングを中心に生活リズムを覚え、次第に固定されていきます。

今日は仕事や学校が休みだから二度寝をしたいと思っても、食事や散歩を心待ちにしている愛犬が顔を舐めたり、ベッドに手をかけたり、吠えたりして起こしに来ることもあります。
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犬を飼って後悔しないための準備

公園で飼い主と遊んでいる犬

犬を飼うのに必要な費用を把握する

2024年のある調査では、犬の生涯飼育費用は約270万円にも上るとされています。この金額にはドッグフードや医療費などが含まれていますが、あくまで目安です。

犬の大きさや犬種、生活環境、健康状態によって大きく異なるため、これくらいの費用を余裕をもって負担できるのか、犬を迎える前に検討・確認しておく必要があります。
参考文献
令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査|一般社団法人ペットフード協会(https://petfood.or.jp/pdf/data/2024/8.pdf

お世話やしつけにかかる労力と時間を理解する

犬の心身の健康を守りながら一緒に暮らすには、食事や散歩、被毛のケアなど毎日欠かせないお世話があります。
さらに、基本的なしつけやトイレなどのトレーニングが思うように進まず、予想以上に時間がかかる可能性も考えられます。

犬の世話やしつけには手間と時間がかかることを理解しておくと、実際に犬を迎えたあとに「こんなはずではなかった」とギャップを感じずに済むでしょう。

自分のライフスタイルに合う犬種を選ぶ

犬の性格や性質の傾向、必要な運動量、トリミングの必要性や頻度、しつけのしやすさなどは犬種によって異なります。

自身と家族の生活リズムや住環境なども考慮したうえで、自分たちに合った犬種を選ぶことが大切です。

生活環境を犬に合わせて整える

人間と生活パターンが異なる犬が、安心し快適に過ごせる環境を整えることで、犬も家族の暮らしに溶け込みやすくなります。

誤飲やケガ、脱走など事故を防ぐための対策をはじめ、温度管理、適度に動き回れるスペース、トイレの設置と清潔の維持など、犬に合わせた環境を準備しておきましょう。
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犬を飼うことで得られる喜びと変化

飼い主に撫でられている秋田犬

幸福度が高まる

犬と触れ合うと、人の脳内では「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。
オキシトシンは別名「幸せホルモン」と呼ばれ、他者との温かいコミュニケーションをきっかけに分泌されることが多いホルモンで、ストレスを和らげる効果があります。

愛犬との暮らしの中で温かい感情を抱くことで、飼い主はオキシトシンの影響によって癒しを感じられ、幸福感が高まると考えられています。

健康的な生活になる

犬の飼育に欠かせない散歩は、飼い主にとっても運動不足を解消できるチャンス。
休日には公園やドッグランに行くなど、アクティブに過ごすことが増えるでしょう。

さらに、散歩や食事、お世話の時間がある程度決まることで、自然と生活リズムも整いやすくなります。

部屋を清潔に保てる

愛犬の安全と健康を考え、飼い主は清潔さを意識するようになります。

具体的には、ノミやダニを防ぐために室内清掃の回数を増やし、より丁寧に掃除を心がけるように。また、誤飲・誤食を防ぐために、こまめに片づけをおこなうなど、環境を整える習慣が身に付きます。

新しい経験や楽しみが増える

毎日の散歩やSNSでの交流を通じて、愛犬をきっかけにほかの飼い主と知り合い、交流が広がる可能性も。
さらに、ドッグランやペットOKの飲食店、オフ会やイベントなど、犬と楽しめる場所へのお出かけが増えることは、飼い主にとっても新しい経験になります。
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まとめ

道端で撫でてもらっている柴犬
犬は社会性が高く、豊かな感情をもち、コミュニケーションを通じて飼い主に安らぎや喜びを与えてくれます。
しかし、犬を飼うためには、フード代や動物医療費だけではない費用がかかり、散歩や食事の準備、環境整備の手間もかかります。それでも多くの人が一緒に暮らしたいと思うほど、犬は魅力的な存在です。
衝動的に迎えて後悔しないためにも、自分のライフスタイルを考慮したうえで、飼育を検討してくださいね。
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