アメリカンピットブルテリアの子犬を探す

成犬時の体高はオス45.7～53.3cm、メス43.2～50.8cm、体重はオス15.9～27.2kg、メス13.6～22.7kgほどです。大きな頭部に低い鼻、強靭な顎、そして全身筋肉に覆われたがっしり体型が特徴です。

アメリカンピットブルテリアの祖先といわれているのは、スタッフォードシャーブルテリアやブルドックです。これらの犬種は18世紀にイギリスやヨーロッパ各国でおこなわれていた「ブル・ベイティング（犬と牛を戦わせる見世物）」や、闘犬用に存在していました。
スタッフォードシャーブルテリアはやがてアメリカに渡り、現地で育種が進められた結果「ピッドブル」が誕生します。ほかの野生動物にも立ち向かえる勇敢さと力強さ、飼い主の命令をきちんと聞く従順さが評価され、食肉用の牧畜業者のもとで働くワーキングドッグとして重宝されていました。

人間に忠実な使役犬として活躍していたピッドブルでしたが、残念ながら20世紀に入るとピットブルの攻撃的な面を悪用し、犯罪や違法な闘犬に利用する人々が現れます。ケガや死亡事故といった人間への被害が増えるにつれ、 “ピットブル＝凶暴な犬”としてのイメージが蔓延することとなりました。こうしたことを背景に、アメリカの一部の州やヨーロッパなどでは、現在でもピットブルの飼育が禁止されています。

毛色、毛質毛色はマール以外すべての毛色が認められています。ブラックやレッド、ベージュ、ホワイト、ブリンドルなど、さまざまなバリエーションが存在します。
毛質は艶やかな短毛で、日常のお手入れはそこまで難しくありませんが、換毛期には多くの抜け毛が発生するため、こまめなブラッシングをおこないましょう。

スタッフォードシャーブルテリアとの違いピットブルの作出に関わっている犬種が、イギリス原産のスタッフォードシャーブルテリアです。そのためこの2つの犬種は外見やカラーバリエーションといった点で類似点があります。
体格を比べてみると、スタッフォードシャーブルテリアの体高は35.5～40.5cm、体重はオス12.7～17kg、メス11～15.4kgと、ピットブルよりもやや小柄です。

日本でも“怖い犬”というイメージを持たれることの多い犬種ですが、実際のところはどうなのでしょうか。

かつては闘犬として育種されてきましたが、今では家庭犬として素質を重視し、育成されることがほとんどです。
痛ましい事故を防止するためには、飼い主が犬種やトレーニング方法について正しい知識をもち、飼育することが大切です。

ピットブルは基本的に穏やかな性格です。我慢強さや粘り強さも持ち合わせており、飼い主には非常に忠実で従順です。しっかりとした信頼関係が築けていれば、どんな場面でも飼い主の指示を守る忠誠心を発揮してくれます。
また“強面”な見た目とは裏腹に、明るく陽気な一面も。ユーモラスな表情と行動で、場を和ませてくれるピッドブルとの生活は、一緒に暮らす家族にとってかけがえのないものになるでしょう。

この犬種を飼ううえでは、飼い主が正しい知識を持つことが強く求められます。食事や運動、お手入れ、しつけ方法といった基本的なポイントは、しっかりと押さえておきましょう。
また、自治体によってはピットブルを特定犬種とし、条例で飼育方法に規約を設けている場合があります。迎える前に自治体に確認しましょう。

食事のポイントピットブルの食事は、月齢や体重、体質によって変化します。子犬の時期には「パピー（子犬）用フード」を。消化機能が未熟なうちは、1日に3～4回の小分けにして与えましょう。
成犬期になると、子犬用のフードは栄養過多になってしまいます。肥満を防止するためにも、 “低カロリー・高たんぱく”タイプがおすすめです。食事は1日2回に分け、体重に応じた量を与えてください。

必要な運動量かつては畜産農家の使役犬として活躍していたピットブル。必要な運動量はかなりのものです。
運動不足はストレスによる問題行動を引き起こす恐れがありますので、毎日十分な運動時間を確保する必要があります。成犬のピットブルの場合、散歩は1日に2回、各1時間以上必要です。
ドッグランを利用する際は、訪れる前に事前に施設に問い合わせをしましょう。施設のなかには禁止事項として、闘犬種などを指定している場合があるためです。また利用可能な場合でも、ほかの犬とトラブルにならないよう、遊んでいる犬から常に目を離さないでください。

子犬のうちから、噛み癖や吠え癖の予防、制止や呼び戻しといった基本的なトレーニングをおこないましょう。またほかの人や犬と少しずつ接点をつくり、周囲の環境に慣れさせることも重要です。

十分に社会化トレーニングをおこない、しつけを徹底したとしても、闘犬の血を引いている以上トラブルの可能性はゼロとは言えません。迎える前に最期まで責任を持って飼えるかどうか、家族内で十分に検討しましょう。

お手入れ方法日々のお手入れとして、ブラッシングやシャンプー、歯磨き、爪切りをおこないます。
短毛種のため毛玉ができることはありませんが、定期的にブラッシングすることで抜け毛を落として毛並みを整えることができます。ブラッシングには血行促進効果もあるため、ラバーブラシや獣毛ブラシを使い、全身をマッサージするように撫でてあげましょう。

抜け毛が多い時期やニオイが気になるときは、犬用のシャンプーを使って全身を洗います。過剰なシャンプーは皮膚トラブルを招く恐れがありますので、頻度は月に1度程度に留めましょう。

寿命は8～15年ほどとされています。ほかの中型犬と比べると、平均かやや短命傾向といえそうです。もちろん犬の寿命には個体差がありますので、平均寿命は参考程度に見ておきましょう。

ピットブルを長生きさせるためには、毎日の食事や適度な運動、お手入れ、飼育環境といった基本的な飼育ポイントが大きくかかわってきます。
また、後ほど説明する遺伝的な病気や疾患にも気を配る必要があります。遺伝的疾患のなかには、原因が特定できないものや予防が難しいものもありますが、早期発見により治療効果が見込めるケースもあります。異変に気付いたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

遺伝的にかかりやすいとされるものに、白内障や緑内障、チェリーアイといった眼病があります。一般的には老犬期に発症リスクが高まるとされていますが、ピットブルの場合は若いときから眼病を発症する可能性が高いとされます。
眼病は視力の低下や視界の狭窄からはじまり、重症化すると失明に至る可能性も。動物病院では、点眼薬や外科手術による治療がおこなわれます。

また、生まれつき皮膚が弱く、皮膚病のリスクが高い犬種です。ノミ・ダニや花粉、ハウスダスト、食品に含まれるアレルギー物質と、皮膚病の原因になるものはさまざまです。とくにアトピー性皮膚炎の場合は根治が難しく、家庭でも適切なケアが必要になります。

そのほか、心臓病のような内臓疾患にも注意が必要です。また闘犬として飼われていた犬種は痛みに強く、病気やケガに気付きにくいケースがあります。毎日の健康チェックをかかさずおこなうとともに、異変に気付いたらすぐかかりつけ医に相談しましょう。