

犬とともに豊かな人生を歩んでほしい。
お客様の幸せを願って、飼いやすい子犬の育成に注力。
チャウチャウからはじまり、現在はトイプードルとミニチュア・カニンヘンダックスフンドを取り扱う、ブリーディング歴30年のベテランブリーダー。かわいらしさだけを追い求めるのではなく、育てやすく、些細なことで動じない子犬の育成に注力している。また、見学の際にはしっかりと対話の時間を設けるなど、お客様一人ひとりに寄り添った対応を心がけている。
取扱犬種
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トイプードル
社会化形成と健全性を意識し、一般家庭でも飼いやすい子犬の育成に励んでいます。
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ミニチュアダックスフンド、カニンヘンダックスフンド
穏やかでお利口な子たちばかり。丈夫で健康的なので、初心者でも飼いやすいです。
犬舎の一日

- 5時30分
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犬の世話・掃除
- 9時
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スタッフ出勤
- 9時30分
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トリミング開始(トリマー)
- 午前
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動物病院への通院など
- 午後
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お客様対応など
- 15時
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ネットショップの発送
- 16時
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犬の世話・掃除
- 18時30分
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スタッフ退勤
- 21時
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犬舎確認(空調・排泄等)
- 23時
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就寝
ブリーダーヒストリー

- 1980
- テレビCM影響でチャウチャウを飼いはじめる。
- 1987
- 父がチャウチャウのブリーディングを開始。
- 1988
- 世の中がハスキーブームになり、父がハスキーの販売を開始。
- 1989
- 大学生になり、テニスコーチなどのバイトをしつつ、父の仕事の手伝いをはじめる。
- 1990
- 父がゴールデンレトリバーのブリーディングを開始。
- 1994
- 大学卒業後、資格試験の勉強をしながら父の手伝いをしていたが、そのまま犬の世界へ。ブリーダー業が本職となる。
- 1995
- 交通事故で父が死去。父の会社を閉鎖し、個人事業主としてブリーダーに。
- 1996
- ミニチュアダックスフンドのブリーディングを開始。
- 1999
- トイプードルのブリーディングを開始。犬舎ホームページを開設。
- 2000年代
- ゴールデンレトリバー、ミニチュアダックスフンドを国内のショーに出陳。最盛期ではJKCチャンピオンとして、ゴールデンレトリバー1頭、ミニチュアダックスフンド4頭を輩出。
- 2003
- 個人事業主から有限会社へ法人化。
- 2005
- トイプードルをアメリカのドッグショーに出陳。最盛期では5頭のトイプードルをアメリカンチャンピオンとして輩出。
- 2017
- 『みんなのブリーダー』利用開始。
- 2019
- トイプードルの遺伝子検査を開始。
インタビュー
学業の傍ら、ブリーダーである父の手伝いをするうちに、そのまま犬の世界へ

ブリーダーをはじめたきっかけを教えてください。
テレビCMで観たチャウチャウに魅了されたのがきっかけです。その影響を受けて、チャウチャウを飼いはじめました。
その後、二代目のチャウチャウには出産を経験させ、それを足がかりに父がブリーディングを開始。
そのとき私は大学生で、学業の傍ら、父の手伝いをしていたのですが、卒業後に仕事として犬に携わるつもりはなかった。でも、結果的にはまた犬の世界に戻ってきてしまいましたね(笑)。
最初はチャウチャウのみブリーディングをおこなっていたのでしょうか?
そうですね。最初はチャウチャウのみでした。のちにラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーのブリーディングをはじめ、90年代半ばにミニチュアダックスフンド、90年代の終わりにトイプードルを取り扱うようになりました。
現在ブリーディングをおこなっているのはミニチュア・カニンヘンダックスフンドとトイプードルですが、取り扱うようになったきっかけはありますか?
ダックスフンドは、犬を飼えなくなった方から引き取ったのがきっかけです。
プードルは「抜け毛が少なく、アレルギーがあっても飼える」ということを知ったから。犬が好きでもアレルギーで飼えない方にとっては、とても魅力的な犬種だと思います。
犬舎の特長を教えてください。
衛生面に気を付けています。オゾン清浄機やオゾン水などを使い、殺菌・消毒をおこなっていますが、においはもとから絶たないとダメなので、犬の居住スペースはこまめに掃除しています。また、トリマーのスタッフが在籍しているので、犬自体も常にきれいな状態に保っています。
お客様がいらした際には「犬がたくさんいるのに、においがしませんね」とお声をいただくこともあります。
お客様との対話を重視。飼いはじめの不安が減るようにしっかりフォロー

お客様対応で気をつけていることはありますか。
犬舎見学にお越しいただく際には、犬を飼おうと思った時期、飼育経験の有無などをお聞きしたうえで、お見せする子犬の特長や犬舎の方針などをご説明しています。
また、はじめて犬を飼う方には、トイレのしつけや留守番の方法など、飼いはじめの負担が減るようにフォローさせていただいております。
ごあいさつにもありましたが、お客様との対話を大切にしていらっしゃるそうですね。
はい。お客様としっかり対話することに重点を置いていて、ご納得いただいてから、子犬をお見せするようにしています。
また、子犬かわいさに衝動的に判断することがないよう、見学当日に子犬を連れて帰ることは基本的にご遠慮いただいています。一度冷静になって、ご家族などとよく相談し、検討してほしいと思っています。
「見学したら絶対に買わなきゃダメ?」と思われるお客様からしたら、安心ですね。
そうですね。ペットショップと比べると、犬舎訪問はハードルが高いと思われるお客様もいらっしゃいます。
「犬舎」といっても、ふつうの一軒家で飼育しているケースも多いので、どうしても「お邪魔する」という感覚になってしまいがち。
少しでもご負担がかからないよう、見学にいらしたお客様にはその場で購入意思は聞かないようにしています。
子犬の社会化形成に注力し、一般家庭でも飼いやすい子犬を育成

お客様に子犬をお譲りするまでに気を付けていることはありますか?
子犬の社会化形成に力を入れ、トイレのしつけはもちろんのこと、ケージの中で過ごせるようにしていています。
また、トリミングのときは業務用ドライヤーを使うのですが、これが会話が聞こえないくらいうるさいんですよ。そういう騒々しい音を聞かせたり、スマホでラジオや音楽を流しながら作業したりすることで、生活音に慣れさせています。一方で誰もいない静寂な環境で過ごさせるなど、よいストレスを経験させることで、一般家庭に迎えられても動じない子に育てています。
お客様からの問い合わせで多い質問があれば教えてください。またそれに対して、どのようなアドバイスをしていますか。
「留守時間が長いのですが、それでも飼えますか?」とご質問をいただくことが多いのですが、「留守にするから可哀想」ではなく、「留守番できない犬にしてしまうのが可哀想」だとお伝えしています。犬を飼うときには、いかに人間社会に適応できるかどうかが重要です。
そのためにも、成犬になってもサークルを使うことをおすすめしています。サークルは犬を閉じ込める場所ではなく、犬にとって安心できるおうちです。安心できる場があれば留守中でもおとなしく過ごせますし、ペットホテルに預けてもパニックになることはありません。
当犬舎から子犬をお迎えいただくお客様には、距離を保って付き合うことが大切だとアドバイスしています。
大変なことも多いブリーダー業。でもお客様からの喜びの声は何事にも変えられない

ブリーダーをやっていてよかった!と思うことはありますか。
正直なところ、やってよかったかどうかは、ブリーダーをはじめて30年経った今でもわかりません(笑)
今でもブリーダーをやっていなかったら、どういう人生だったかを考えることもあります。
ただやっぱり、お客様に喜んでいただけると、ブリーダーをやっていてよかったと思います。
お客様から「犬をきっかけに家族との話題ができた」「学校でいじめられていたけど、犬が支えてくれた」「犬のおかげで人生が実りあるものになった」といったお声をいただくと、本当にうれしいです。
逆にブリーダーをやっていて大変なところはありますか。
いきものは、生があれば死もあり、そこがもっとも大変だと感じています。
出産は日中だけではないですし、胎盤剥離や難産によって、夜間に動物病院にかけこむこともあります。トラブルがなくとも、夜中に起きていることが年々つらくなってきましたし(笑)。
また、最近はありがたいことに出産をお待ちいただけるお客様も増えてきましたが、うれしい半面、無事に生まれてこなかったらどうしようと思うことも。
昔よりも最近のほうが、出産にかかるプレッシャーは増えたかもしれません。
これから子犬を飼う人に、何かアドバイスをお願いします!
犬は1年でおとなになるので、子犬のうちからしつけや管理をしっかりおこなうのが大切です。
また、犬はお金にかえられないものをもたらしてくれます。一頭いるだけで家庭の雰囲気が変わったり、生活リズムが整ったり、さまざまな人との縁が生まれることもあります。犬を通して、皆さんには豊かな人生を送ってほしいです。
子犬の社会形成に力を入れている、竹内ブリーダー。子犬にさまざまな物を見せたり、音を聞かせたりすることで、子犬が一般家庭の環境にスムーズに溶け込めるよう、配慮していると言います。実際に竹内ブリーダーの犬舎から巣立った子犬は、些細なことにも動じず、落ち着きがあって飼いやすい子たちばかりと評判のようです。
また、体の小ささが人気のティーカッププードルですが、竹内ブリーダーは、子犬の健全な生育を優先し、小さくなりすぎないように注意を払っているのだとか。
見た目のかわいらしさだけに囚われず、健全なブリーディングと健康管理を徹底する姿勢に、子犬とお客様両方の幸せを願う竹内ブリーダーの想いを感じました。
※インタビューの内容は取材当時のものです。現在は状況が変わっている場合がございます。