「うちで生まれた子はみんな幸せになってほしい」と笑顔で話す福田ブリーダー。飼い主さんに愛されるレトリバーを育成するため、豊かな環境の中で愛情たっぷりのブリーディングを行っています。

事務局　どんな犬をブリードしているのですか?
福田ブリーダー　ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーのブリードを行っています。ブリーダーになって22年目になり、これまでいろいろな犬種をブリードしていましたが、レトリバーとの相性が一番良かったんです。頭がいいので、こちらがしっかりとした考えを持っていないと負けるんですよね。犬とコミュニケーションを取りながら、心理戦を楽しんでいます。性格も穏やかで付き合いやすいですよ。教えたことをしっかり実践してくれるので、人間との生活にもなじみやすいと思います。

事務局　飼育の際に心がけていることはありますか?
福田ブリーダー　現在31頭を飼育しています。大きい犬との付き合いは本当に体力勝負。繊細な部分もあるので、体調管理にも気を遣いますね。また、ゴールデンは知能が高いので、犬同士の相性も大事なんです。人間と同じような仲間意識やライバル意識を持つんですよ。そのあたりもきちんと見極めて付き合ってあげる必要がありますね。私の犬舎は自然豊かな場所にあるので、なるべく本来の姿に近いようなかたちで飼育できるようにしています。生まれてくる子も穏やかな子が多いんですよ。チャカチャカせず、飼い主さんに愛される子が生まれてきてくれます。

事務局　どんな犬を目指してブリードしていますか?
福田ブリーダー　面長で、大型犬らしい面立ちの子をブリードできるようにしています。健康にも気を遣いますね。レトリバーには股関節整形不全の子も多いので、繁殖犬は1歳になった時に全頭検査して、異常がない子だけをブリードに使用しています。また、出産に向いているかどうかも丁寧に見極めています。出産や痛みが苦手な子もいるので、なるべく苦しい思いをしないようにさせたいんです。だから、うちの繁殖犬は若い子ばかりなんですよ。5歳で引退させて、あとはゆっくり、ペットとして過ごしてもらっています。

事務局　飼い主さんとの交流も盛んだそうですね。
福田ブリーダー　しつけ教室を兼ねたミニオフ会は月1回、お客さまとの親睦会は年に1回開催しています。親睦会には、山形の方から静岡の方まで、70頭近くが集まるんですよ。情報交換できる場として、毎年楽しみにしていただいています。私は、うちで生まれた子はずっとうちの子だと思っています。うちの子が飼い主さんのもとでどんなふうに成長しているのか見られるのは、うれしいですし、勉強にもなりますね。

事務局　ショーにはどのように携わっていましたか?
福田ブリーダー　ショーには、ゴールデンやパピヨンなどで出陳していました。ショーでの経験を通じて、私の中にしっかりとした理想と基礎ができたように思います。きちんとした形や性格の子を育てようという意識は、ブリーダーにとって大切なものですから。私は、自分の前を通って行った子はみんな幸せになってほしいと思うんです。理想の子を作るために小さなことでも手間を惜しまず、真摯に犬と向き合い続けることが、飼い主さんに長く愛されるいい子をブリードする秘訣なんだと思っています。

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